HOME > 受験の悩みはこう乗り切る!
「どこの大学も同じ学科なら、内容は一緒?」「結局、偏差値で選ぶしかないの?」。 こんなふうに思い悩む人はきっと多いはず。皆さんにとって、大学は未知の世界なのですから悩むのは当然のこと。ここでは、大学を選ぶ基準をいくつか、ご紹介してまいります!
第一志望はどう決める?
神奈川県横浜市にある県立A高校3年の斉藤加奈さんは、大学受験を前にどうしようかと考え込んでいます。加奈さんは、公民の授業で経済に興味・関心をもつようになりました。父が都市銀行に長く勤務して、いまは出向先の役員をしていることもあり、自分も将来は金融機関で仕事をしていきたいと考えるようになりました。県立A高校は、早稲田や慶應に毎年50人ほど入る進学校です。斉藤さんは、1年のときから横浜駅近くの予備校に通い、苦手な国語を克服し、いまは常時偏差値60前後の成績を出しています。そこで彼女が考えたのが、私大である明治大学政治経済学部の経済学科と学習院大学経済学部の経済学科の受験です。双方とも、
1 興味のある経済を勉強できること。
2 家から通える距離であること。
3 予備校の「偏差値ランキング」を見ると、難易度はほぼ同じレベルであり、自分が過去に受けた模試では5回ほど合格確率が80%を超えていること。
これらが、受験を決めた理由です。
しかし、ある日、高校の先輩からこんなことを聞きました。「経済学科ならば、明治も学習院も結局はほとんど同じ!」この言葉を聞いてから、彼女の心はしだいに迷うようになったのです。本当に同じなら結局、どちらを本命にすればいいんだろう……。
身近な人から情報を集めることで、決める!
斉藤さんは、この悩みを予備校の先生にぶつけてみました。「明治大学の政治経済学部経済学科では、コース制を採用している。学生は3年生から1つのコースを選択してその科目を中心に履修する。コースは、世界の人口問題や南北問題を学習する国際政治経済コース、不良債権問題、デフレなどについて学ぶ財政・金融コース、さらに少子化問題などの政策について学習する総合経済政策コースなどがある。
一方で、学習院大学経済学部経済学科では、マクロ経済やミクロ経済などに比べ、最近のITを意識した講義があること。ワード、エクセル、パワーポイントを使った実践的な講義を行っている。」
斉藤さんは2つの大学のイメージが湧いてきます。先生のアドバイスから、
・明治大学は経済をいろいろな角度から勉強ができること。
・一方で、学習院大学は、いまの時代に即した実践的な経済を専攻することができること。
が、よく分かったのです。
そして、自分がもう一度、将来どうなりたいのかを振り返ってみました。銀行員としてさまざまな会社の経営を手助けしたいのと同時に、少子化など女性に関わる問題に具体的な助言ができるエコノミストにもなってみたい……。そのためには、経済の基本的なことを体系的に勉強したい。これがいちばん大きな基準となり、彼女は第1志望を明治大学政治経済学部経済学科に決めました。
斉藤さんは、ただ偏差値だけで大学や学科を選ばない粘り強い意志をもっていました。彼女が、家族によく話していることはこんなことです。
「本当に自分がやりたいことができる大学や学科に進みたい。」
彼女の場合には、話を聞く相手が予備校の先生でしたが、兄弟、兄弟の友人、学校の先生、両親の友達など、いろいろなつてから、その大学の生の情報をキャッチすることで、大学生活はよりイメージしやすくなり、結果、第一志望にしたい大学が絞れてくるはずです。
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偏差値ではなく、「入試方法」で決める!
斎藤さんは「偏差値」と「自分がやりたいこと」を基準に、一般入試で受験に望むことにしましたが、ほかにも大学を選ぶ方法が考えられます。例えば、「一般入試」のほかに、「AO入試」や「推薦入試」などがあります。それぞれの特徴を見ていくと、自分に合った入試のスタイルが見つかるかもしれません。こうして、さまざまな「入試方法」から大学を選ぶことも進路を決める基準の1つといえます。一般入試に自信がなくても、また、希望の大学に少々偏差値レベルが追いついていなくても、入試方法によっては、“見事、合格!”できる道だって、あるかもしれませんよ。
◆一般入試
ほとんどの大学で行われているオーソドックスなスタイル。試験日に、大学が指定する試験会場へ行き、大学が作成した試験を受験。その合計得点で合否が決まります。大学によっては、面接や実技を課すところもあります。
◆推薦入試(公募制推薦・指定校推薦)
推薦入試には、大きく分けて2つのスタイルがあります。さらに「公募制推薦」は、「自己推薦」「一般公募制推薦」など、いくつかのパターンに分かれますが、いずれも全国の高校から幅広く生徒を募集します。一方で、「指定校推薦」は、○○高校から例えば3人と大学側がその推薦枠を決めます。高校の校長の推薦状に加え、小論文や面接、調査書等で合否が決まります。
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◆AO入試
最近、採用する大学が増えているスタイル。「AO(アドミッション・オフィス)入試」では、その受験生が希望する大学にふさわしい人物かどうかを判断します。特に大きなポイントは志望動機。試験でそれをきちんと伝えることが何よりも大切です。
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忘れちゃ行けない、キャンパスライフ!
最後に、大学を選ぶときの基準の1つにしたいのが「キャンパスライフ」です。冒頭の斉藤加奈さんのように、自宅から通える大学を選ぶか、それとも地方から東京や大阪などの大学に行き、アパートなどに下宿をするのか、こんなことも大切なポイントです。また、アルバイトをする学生が多い大学、サークル活動が盛んな大学と、キャンパスライフは実にさまざま。そのほか、アクセスがよく最新の設備が揃っているビルのような都会型の大学と、少しアクセスは不便だけれど、寝転べる芝生や大きな学食があるキャンパスではやはり過ごし方も変わってきます。
何よりも大切なことは、キャンパスライフは、大学が創るのではなく、みなさんが自分の意志で創っていくということ。この思いを大切に、どうか心から満足できるキャンパスライフが送れる大学を選びましょう。